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内科・外科・泌尿器科・精神科
医療法人社団御波会 面野医院
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認知症は入院すると悪化する?原因と対処法・入院費用を解説

認知症の方は、症状の進行状況により入院治療が必要になる場合があります。自宅でのケアが難しいときは、専門の設備やスタッフが常勤する施設で継続的に治療を受けます。

入院中は医師と看護師による医療ケアが受けられるため、介護者の負担は軽くなりますが、患者さんの心身にかかる負担や環境の変化による影響も考慮しなければなりません。

この記事では、認知症の方が入院する理由や、入院によって認知症が悪化するのかについて解説します。認知症の悪化を防ぐ方法や入院費用の目安も紹介しています。

認知症の方が入院するのはなぜ?

認知症の方が入院する理由として、次のようなケースが挙げられます。

症状の悪化:認知症が進行し、家族によるケアが困難になったケースです。幻覚や幻視、攻撃性が強くなり医療ケアが必要になるなどのケースが代表的な例です。

医療が必要になったとき:感染症・骨折・癌・全身疾患のような病気を認知症と併発したときは、入院によって総合的なケアを実施します。

家族や介護者の休息:家族や介護者が一時的に休息をとる場合に、短期間の入院を選択することがあります。「レスパイト入院(休養入院)」と呼ばれる方法です。

リハビリテーションのため:認知症の方は、理学療法や作業療法といったリハビリテーションが必要になるため、入院で治療を受けながらリハビリテーションもこなし、機能の改善を図ります。

認知症は入院すると悪化する?

認知症の方が入院すると、普段とは異なる環境で過ごします。患者さん自身が正しくその場の状況を理解・判断できなければ、いつ自宅に戻れるのだろうかと、不安や恐怖を覚える可能性があります。

急激な環境の変化や過剰なストレスは脳に負荷を与え、認知症の進行を促す可能性があります。介護者は、入院にあたって激しいストレスを感じないように、医療スタッフと連携してサポートを行うことが大切です。

また、認知症が入院によって悪化する理由は大きく3つに分けられます。「生活習慣が変わってしまう」「筋力の低下」「せん妄の可能性」についてみていきましょう。

生活習慣が変わってしまう

病院という環境は多くの人が出入りし、時間的な制約も大きな環境です。そのため、自宅ほどのリラックス感がなく、患者さんによっては環境に適応できない場合があります。

適切な状況判断が難しい認知症の患者さんは、自宅にあるものがない・愛用しているものが使えない・寂しさを解消する手段がないといった点で混乱や不安をきたしやすいものです。

特に、ご家族などの身近な人がいない環境では、強い不安を覚えます。安心できる家族から突然顔ぶれが変わり、居場所までも変化したとショックを受け、認知機能が低下するおそれがあるのです。

筋力の低下

病院では場所の制約も大きく、プライベートな場所がベッドのみのため、活動量が普段よりも減ってしまう場合があります。

絶対安静の状態で過ごすと、普段の筋力から10〜20%も低下する「廃用症候群」が起きるといわれています。認知症の方で、何らかの理由で入院し絶対安静の状態に置かれた場合、この廃用症候群に注意しなければなりません。

通常の入院でも、一日中ベッドに寝ている、または座っているようなケースでは、活動量の少なさから筋力が低下し、身体機能を中心に低下するリスクがあります。

筋力が低下してもすぐに認知機能が衰えるわけではありませんが、入院前よりも健康状態が悪化する可能性があります。


せん妄の可能性

せん妄とは、感染症や炎症、貧血や薬物といった負担によって生じる意識的な混乱です。

せん妄にかかると、環境や体調の変化から意識が正常に働かず、ぼんやりとした感覚になります。たとえば話のつじつまが合わない・興奮や怒りの感情が出現する・家族やその他の人を間違える・治療を忘れて点滴を抜いてしまうなどの行動です。

寝ぼけているような症状ですが、夜に眠れない不眠の症状も発現します。また、見えないものが見えたり妄想を真実かのように語ったりするなど、認知症のような症状が現れます。

認知症は、通常は徐々に進行しますが、個人差があります。もし、入院後に認知症が悪化したような症状がみられたときは、せん妄の件も含めて主治医に相談してください。


入院時に認知症の悪化を防ぐ方法

入院時に認知症が悪化しないために、次の4つのポイントに注意しましょう。

  • 定期的にリハビリテーションをする
  • 規則正しい生活を心がける
  • 十分な睡眠をする
  • ストレスを溜めない

認知症は、脳機能が低下していく病気です。そのため、脳に負担がかからないような生活が基本的な治療方法となります。

リハビリテーションや規則正しい生活、ストレスを溜めない・休息するといった方法は、認知症の進行予防に効果が期待できます。

定期的にリハビリテーションをする

認知症の方が入院したときには、作業療法や運動療法といったリハビリテーションが行われます。リハビリテーションは身体を動かすだけではなく、心と体の両方を刺激して脳を活性化させるために有効な方法です。

特に入院中はベッドで過ごす時間が多くなるため、筋肉を使う機会が少なく筋力が低下するおそれがあります。そのような状態を予防するためにも、リハビリテーションを定期的に実施する必要があります。

ただし、リハビリテーションに強い抵抗がある方や認知機能が著しく低下しており指示が理解できない方は実施できません。リハビリテーションが受けられるかどうかについては、入院先の医療機関とよくご相談ください。

規則正しい生活を心がける

規則正しい生活は、脳にかかるストレスを抑えて心身をしっかりと休養に導くための方法です。

無理に寝起きをさせるべきではありませんが、食事や活動、排泄といった日常生活を規則的に行えば、乱れやすい生活リズムが改善し、夜になると自然に眠りにつけるようになります。

認知症の方は脳にかかる負担を少しでも抑えるために、規則正しい生活を心掛けたいところです。

十分な睡眠をする

十分な睡眠は、認知症の発症有無や程度にかかわらず、進行のリスクを低減するといわれています。これは、睡眠中に脳の活動を休めて、認知症が悪化する原因となる負担を抑えられるためです。

単に眠れれば良いわけではありませんが、規則正しい生活のなかでしっかりと眠り、疲れを癒す習慣を重ねるだけでも認知症の進行予防に役立ちます。

※必要以上に長い睡眠はかえってストレスを増やすため、睡眠のコントロールが難しい方は主治医にご相談ください。

ストレスを溜めない

認知症と判明し、治療やリハビリテーションが始まると、認知症の方が誰よりも不安を感じます。今までどおりの暮らしができないのではという将来への不安や、家族やその他の人々に迷惑をかけたくないといった責任感が、ストレスを増大させるおそれがあります。

認知症の方のご家族は、患者さんの不安を少しでも軽減できるように工夫が必要です。入院時は生活環境や病院での顔ぶれが普段と異なるため、さらにストレスを感じやすくなっています。

自宅で愛用しているアイテムを持ち込んだり、こまめにお見舞いへ行ってサポートをしたりといった方法で、ストレスが軽くなるように配慮を行ってください。

入院して認知症が悪化した場合の対処法

認知症の治療は早期発見・早期治療が重要です。

入院によって認知症が悪化したときは、入院先の相談室や医療ソーシャルワーカーへ相談し、その後の対応を検討します。地域包括支援センターや担当のケアマネジャーに相談できる場合は、そちらにも連絡をとっておきます。

治療計画が変更になったり、転院や施設への入所を検討したりする可能性もありますが、主治医の判断や専門家とのこまめな相談が重要になります。

症状の進行がみられたときは、ご家族や介護者だけで抱え込まないことが大切です。入院も含めた対応を検討している方は、まずはケアマネジャーや地域包括支援センターの専門家や医療機関にご相談ください。

認知症の入院費用

認知症の入院費用は、月額で7〜30万円が相場といわれています。入院費は病院によって異なり、患者さんの症状に応じて提供される医療サービスや投薬量、リハビリテーションの内容・回数によっても変動します。

さらに、患者さんが加入している医療保険の自己負担割合が1~3割のどれに該当するのか、差額ベッド代の有無やその他の諸費用の有無で、月々にかかる費用が変わります。

認知症での入院は医療保険が適用されるため、限度額を超えて高額になったときは「高額療養費制度」が利用できます。1ヶ月にかかった医療費が一定の水準を超えたときに、超過分が払い戻される制度です。

入院で認知症が悪化しないための方法を検討しよう

今回は、認知症の患者さんが入院する理由や、入院によって認知症が悪化するのかについて解説しました。

入院は、認知症の方にとって必要な医療サービスとリハビリテーションを受けるための手段です。症状の適切な管理と医療従事者によるサポート等により、認知症の進行予防に役立つ可能性があります。

一方で、入院は環境の変化や新しい人間関係が発生するため、患者さんによってはストレスが増大するおそれもあります。入院中はできるかぎり安心して過ごせる環境づくりやサポートを心掛け、ご家族や介護者は医療スタッフ・専門家と連携するようにしましょう。


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            南行徳の面野医院 (訪問診療専用番号 047-321-4600)へご相談ください。

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