高齢になったり、体力が落ちたりすると、病院やクリニックに通うのが難しくなります。そのような場合は、訪問診療の利用を検討するとよいでしょう。
訪問診療で在宅酸素療法を受けたいと考える方もいるはずです。
そこで、そもそも在宅酸素療法は訪問診療でも受けられるのか疑問に感じている方のため、確認しておきたいポイントを紹介します。この記事では、訪問診療で在宅酸素療法が受けられるのかや、かかる費用について解説します。ぜひ参考にしてください。
訪問治療は、在宅医療とも呼ばれるものです。通院が難しい方を対象として医師が自宅や施設を訪問し、診察や治療などを行う方法のことをいいます。
高度な治療が必要な場合は、専門的な設備の整った病院での対応が必要ですが、症状が安定していれば訪問診療を受けることも可能です。現在入院中で在宅治療を検討しているが、通院が難しい場合も訪問診療を選択肢に入れることができます。
在宅酸素療法とは、心臓や肺などの機能が低下し、呼吸によって空気中から十分な酸素を取り込めなくなった方が専用の装置を使用し、自宅で酸素を吸入しながら生活する治療法のことをいいます。
酸素は人間にとってなくてはならないものです。十分に取り込めないと臓器への負担につながってしまうため、対策を取らなければなりません。この在宅酸素療法は、訪問診療でも対応可能な場合があります。
在宅酸素療法を行うことにより、不足する酸素を補うことが可能です。これにより、以下のような効果が得られます。
【代表的な効果】
酸素を十分に取り込めなくなると、日常生活の中で動悸や息切れが発生することも少なくありません。在宅酸素療法によって酸素を補えれば、そういったことも減り、過ごしやすくなるでしょう。
また、入院とは異なり、自宅で治療を続けられるため、住み慣れた環境で生活しながら病気と向き合えるというメリットがあります。
心臓や肺の機能が低下している場合でも、在宅酸素療法が適用されるわけではありません。肺高血圧症、高度慢性呼吸不全、慢性心不全、チアノーゼ型先天性心疾患の方のうち、体内の酸素濃度が一定の基準を下回っている場合が対象となります。
医師が在宅酸素療法を行うべきと判断した場合に限って在宅酸素療法が行われることになります。
在宅酸素療法では酸素供給装置を使用することになり、この装置代や酸素の費用、装置のメンテナンス費といったものは医療保険の対象です。
一般的な目安として、1割負担で約7,680円、2割負担で約15,360円、3割負担で約23,040円となる場合があります。ただし、実際の負担額は保険適用条件や医療機関によって異なるため、詳細は担当の医師や医療機関に確認しましょう。
また、装置には大きく分けて設置型酸素濃縮装置と液化酸素装置の2種類があるのですが、このうち設置型酸素濃縮装置は別途電気代が必要です。電気代は使用する装置によって異なります。分からない場合は、病院の担当者に相談することをおすすめします。
なお、高額療養費制度や高額介護合算療養費制度を利用することにより、減免措置を受けることができます。利用可能な制度を積極的に活用していきましょう。
在宅酸素療法を始めたいと考えている場合は、事前に疑問点を解消しておきましょう。ここでは、よくある2つの質問にお答えします。
費用の項目で簡単に触れたように、在宅酸素療法は保険の対象です。ただし、保険が適用されるためには、1ヶ月に1回以上、医師の診察を受ける必要があります。
この診察は訪問診療でも問題ないので、病院やクリニックに通うのが難しい場合は、訪問診療で在宅酸素療法を開始することを検討してみてはいかがでしょうか。
また、症状ごとに保険適用が認められる条件が細かく定められています。これらの条件も満たす必要があります。自身の場合は対象になるかわからないと不安に感じているのであれば、かかりつけの医師に相談しましょう。
在宅酸素療法を受ける際には、以下のようなことに注意が必要です。
【主な注意点】
特に初めて在宅酸素療法を受ける場合は、わからないことばかりでしょう。どのように生活すればよいのか、何に注意すべきかについては事前に説明があるため、しっかりと理解しておくことが大切です。
わからないこと、気になることなどがあれば必ず質問して解決しておきましょう。
また、急な装置トラブルや困ったことが起こったときに備え、24時間対応の主治医や訪問看護ステーションの連絡先を確認しておくことも重要です。
また、酸素にはものを燃えやすくする性質があります。そのため、酸素吸入中にタバコを吸うと、チューブに引火する恐れがあるため、十分に注意しましょう。
また、自身で勝手に吸入量・吸入時間を変更するのは危険です。たとえば、息切れなどの症状が強く出ているからといって注入量を増やしてしまうと、呼吸をつかさどる神経が正しく働けなくなってしまう恐れがあります。
これによりうまく呼吸ができなくなる可能性があるので大変危険です。注入量や注入時間について希望がある場合は医師に相談しましょう。
電気が必要なタイプの装置を選択する場合は、停電時でも対応できるように酸素ボンベを備えておくことも大切です。
いかがだったでしょうか。在宅酸素療法が訪問診療でも受けられるのか、費用がどの程度かかるのかについて解説しました。訪問診療でも対応可能な場合があるため、何らかの理由で病院やクリニックに通うのが難しい方は、訪問診療も検討してみるとよいでしょう。
定期的に医師の診察を受けることで、悩みも相談しやすくなります。
訪問診療で在宅酸素療法を検討している方は、医療機関に相談してみることをおすすめします。
市川市・浦安市で訪問診療の受診をお考えの方は、
南行徳の面野医院 (訪問診療専用番号 047-321-4600)へご相談ください。