親の通院付き添いに疲れる問題を解決!疲負担の軽減方法を紹介

親が定期的な通院を必要とする場合、介護者となる子どもが付き添うことがあります。移動がスムーズに行えない親にとって、子どもの手助けは重要な支えとなります。

しかし、移動の手配や待ち時間、病院での手続き、見守りや介助などの作業は、介護者にとって大きな負担となります。心身への負担に加えて時間や費用もかかるため、通院の付き添いを行う際には、親と介護者双方がゆとりを持てる状態が望ましいです。

本記事では、通院付き添いが疲れる理由や負担を軽減する方法について、訪問診療の特徴や利用方法とあわせて詳しく解説します。

親の通院付き添いが疲れる理由

親の通院付き添いが疲れる理由として、「時間と交通費の負担」「仕事や家事との両立が難しい」「病院での長い待ち時間」が挙げられます。

通院の付き添いでは時間や労力がかかるため、十分な体力や時間的な余裕を確保することが重要です。付き添いが疲労につながる理由として、以下の3点を解説します。

時間と交通費の負担

通院の付き添いでは、自宅と医療機関を往復する際に時間がかかります。自宅近くであっても、準備や介助を含めると相応の時間が必要です。

遠方の病院を受診する場合、車での移動や公共交通機関の利用に時間がかかります。公共交通機関では、駅までの移動や電車の乗り換えが負担となる場合があります。

病院に到着してからも、手続きや検査間の移動、待ち時間が発生します。特に混雑している時間帯には、会計や処方箋の受け取りにも時間を要することを考慮する必要があります。

交通費については、自家用車や公共交通機関の利用に応じて費用が発生します。タクシーや介護タクシーの利用ではさらに高額になる場合があり、自家用車でも駐車料金や高速料金がかかることがあります。

仕事や家事との両立が難しい

親の通院付き添いは、介護者にとって多くの時間とエネルギーを必要とする作業です。まとまった時間を付き添いに割かなければならないため、仕事や家事との両立が困難になる場合があります。

一例として、時間の調整の難しさが挙げられます。医療機関の多くは平日または土曜日の午前中などに診察を行うため、介護者が仕事や家事を休んで通院に付き添う必要がある場合があります。

病院へ行くだけでなく待ち時間も発生し、その間に仕事や家事に充てるべき時間が失われることがあります。「病院に行って帰るだけで疲れてしまう」というケースでは、通院そのものが負担となり、仕事や家事の効率が低下するおそれがあります。

病院での長い待ち時間

病院が混雑していると、長時間の待ち時間が発生する場合があります。診療科や病院の規模、混雑具合によっては1時間以上待機しなければならない場合もあり、受診する親の体調に配慮し、介護者自身も長時間一緒に過ごす必要があります。

来院してすぐに診察が受けられることが理想ですが、高齢化が著しい地域では医療機関が常に満員というケースも少なくありません。予約制の病院でも前の患者の診察に時間がかかり、待ち時間が延びることがあります。

診察・検査・会計・薬の処方といった一連のプロセスで順番が回ってこない場合、その分待ち時間が長引き、結果として疲労が蓄積しやすくなります。

親の通院付き添いの負担を軽減する方法

親の通院付き添いの負担を軽減するためには、次のような方法が考えられます。

  • 介護タクシー・福祉タクシーの利用
  • 訪問診療の活用
  • 自治体のサポートサービス
  • 介護保険の通院介助サービス
  • 自費のヘルパーサービス
  • 家族間で役割分担する

それぞれのサービスの特徴について詳しく説明します。

介護タクシー・福祉タクシーの利用

介護タクシーや福祉タクシーは、高齢者や障害を抱える方が医療機関に通院する際の交通手段として提供されるサービスです。

自家用車が使えない場合や公共交通機関での移動が困難な場合に、安全で円滑な移動を目的としたサービスで、これにより、付き添い者の負担を減らすことができます。

利用するには、希望者が福祉事務所などに連絡して申し込みを行います。対象として認められると、利用日時が予約可能となり、指定された場所にタクシーが到着し利用者を目的地まで移送します。

訪問診療の活用

訪問診療とは、医師や看護師、薬剤師などの医療従事者が利用者の居宅を訪問し、チームで医療を提供する行為を指します。

通院が困難な事情がある場合に、医師が訪問診療の必要性を認めた際のみ、医療従事者が訪問し診察や薬の処方を行います。血液検査や家族へのアドバイス、緊急時の対応、介護士との連携といったサービスも状況に応じて提供されます。

訪問診療を受ける間は通院の必要がなくなり、付き添いにかかる負担を軽減できます。また、介護者である家族も医療従事者から直接アドバイスを受けられるため、治療方針を理解しやすくなり、対応に漏れが生じにくくなるというメリットがあります。

自治体のサポートサービス

地方自治体が提供するサポートサービスとして、無料送迎サービスが提供されています。無料送迎サービスとは、社会福祉協議会などが主体となり実施している移動支援サービスの一つです。

自家用車や公共交通機関の利用が困難な方々を対象に、ワゴン車などが自宅前まで迎えに行き、指定された医療機関へ無料で送迎するサービスです(※)。

家族が介護に関与する必要がなく、専門スタッフが送迎を担当することで、家族の負担を減らすことができます。

ただし、すべての地方自治体が移動サービスを提供しているわけではありません。まずは居住地域で提供されているサービスを確認し、必要に応じて福祉窓口に相談することをおすすめします。

※参照元:社会福祉法人奥多摩町社会福祉協議会「外出支援サービス(通院送迎)」

http://okusyakyo.jp/publics/index/21/

介護保険の通院介助サービス

介護保険の通院介助サービスとは、訪問介護員(ホームヘルパー)に通院サポートを依頼できる仕組みです。

ご家族が仕事や家事、その他の理由で介護者になれない場合にも利用可能で、医療機関に向かうための準備や移動、乗降時の介助を依頼できます。専門的な介護の知識と経験をもつ訪問介護員がサポートを行うため、体調の確認や細やかなケアを受けられます。

通院介助サービスを利用すれば、介護者の負担を軽減しながら医療機関に定期的に通院できるようになります。サービスの詳細は、居住地の福祉事務所や地域包括支援センターへお問い合わせください。

自費のヘルパーサービス

このサービスは「介護保険外自費サービス」とも呼ばれ、介護資格をもつスタッフが幅広いサポートを担当します。

「介護保険外自費サービス」とも呼ばれていますが、介護の資格をもつスタッフがさまざまなサポートを担当します。介護保険内ではできることが限られていますが、自費の場合はそうした制約にとらわれず、柔軟にサービスを提供します。

従来の身体介護や生活援助の枠を超え、柔軟な時間帯でのサポートや娯楽施設への移動介助が可能です。夜間の見守りや話し相手など、利用者のニーズに応じたサービスも提供されます。

利用を検討する際は、必要なヘルパーサービスを明確にしたうえで事業者を選び、希望するサポートが提供されるか相談することが大切です。

家族間で役割分担する

家族が通院に付き添う際は、一人に任せるのではなく、複数人または全員で分担する方法を検討できます。

付き添い以外の介助やサポートを役割分担し、必要な支援が途切れないように配慮し、家族間で負担を分散することが重要です。

一人の介護者がサポート全般を担う場合、負担が非常に大きくなります。心身への影響を防ぐためにも、家族間で事前に十分な話し合いを行い、役割を明確にしておきましょう。

訪問診療とは

訪問診療とは、医師や医療スタッフが患者の自宅を訪問し、診察や治療を行う仕組みです。特に高齢者や通院が困難な患者にとって有益な方法です。

訪問診療と混同されやすいものに「往診」があります。往診は計画的ではなく、必要に迫られた場合に医療従事者の判断で行われる診療であり、訪問診療のように決められたスケジュールに沿うものではありません。

ここからは、訪問診療が選ばれる理由と利用方法について説明します。

訪問診療がおすすめの理由

訪問診療では、医師や看護師が患者の自宅を訪問するため、医療機関への移動の手間を省けます。

また、住み慣れた自宅で診察や治療が受けられるため、医療機関へ通院する負担が軽減されます。介護者にとっても同様に、医療機関への送り届けに伴う精神的・肉体的な負担が軽くなるため、医療サービスを利用しやすくなります。

既往症がある方は、自宅で健康状態の継続的な管理が可能であり、入院が必要な場合には迅速に対応できます。定期的に医療の専門家が訪問してくれることで安心感が生まれ、患者と医療スタッフの間で信頼関係を築きやすい点も特徴です。

訪問診療の利用方法

訪問診療を利用するためには、まずかかりつけ医やケアマネジャー、医療機関のソーシャルワーカーに相談します。

次に、訪問診療を実施している診療所へ連絡し、利用相談と事前面談を行います。利用者として認定されると、利用契約を結び訪問の日程を決定します。

利用者の病状や体調に応じて、訪問診療以外の選択肢(入院や施設入所)が検討されることもあります。医師の診断や家族の意向も踏まえながら、柔軟に話し合いを進めることが重要です。

【まとめ】親の通院付き添いに疲れる

今回は、親の通院に付き添う際の負担や疲労の原因、負担を軽減する方法について説明しました。

介護者にとって、付き添いには移動手段の手配や長い待ち時間、親への配慮といった細かなサポートが求められるため、心身に負担がかかりやすい状況です。

このような負担を軽減するためには、自治体のサービスや介護保険の活用、訪問診療といった方法が有効です。早い段階で利用を検討することで、選択肢を広げて比較し、ご家族に適した方法を選択できます。

訪問診療では、定期的な健康チェックに加え、緊急時の対応を受けられる場合もあります。ご家族が安心して生活できるよう、適切なサービスを活用することが重要です。


市川市・浦安市で訪問診療の受診をお考えの方は、

            南行徳の面野医院 (訪問診療専用番号 047-321-4600)へご相談ください。

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